派遣社員はボーナスが出ない?理由とボーナスが見込める働き方を紹介
派遣社員という働き方を選ぶ場合、ボーナスが出るか出ないかは事前に知っておきたいポイントでしょう。そこで、この記事では、派遣社員のボーナスの実情や待遇の決まり方、そして派遣社員になってもボーナスを得られる方法についてお伝えします。派遣社員を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
派遣社員のボーナス事情
派遣社員のボーナスについてですが、結論からお伝えすると、支給されている派遣社員はほとんどいないのが実情です。派遣社員の給料は、派遣先の会社からではなく派遣会社から支払われているため、給与の金額設定やボーナスの有無は派遣会社が決めています。ボーナス分の金額を含んだ時給を設定していることがほとんどで、そのためボーナスがない場合が多いのです。
ボーナス分を含んでいるということから、パートやアルバイトとして働いている人より時給や日給、月給は高いことが一般的です。イメージでは、派遣社員は正社員に比べて給与は低く安定もしていないと思われがちですが、そうとも限りません。
正社員のボーナスは会社の業績やそれぞれの成績によって変わったり、みなし残業が多く時給換算してみると、かなり低かったりすることも少なくありません。その点派遣社員は時給にボーナス分が入っていたり、きちんと残業代をもらえたりするため、場合によっては手取り金額が正社員とあまり変わらなかったり、高くなることもあるうえ、給与面では安定しているともいえるでしょう。
そもそもボーナスの支払い基準は会社によって違う
ボーナスとは、月給とは別にもらえる給与を指します。会社によっては特別手当や賞与と表現されることもあるでしょう。もらえる場合、タイミングは夏と冬の年2回のところが多いですが、年度末のみのところや、業績次第でもらえるときともらえないときがあるというところもあり、会社ごとに異なります。
金額については、会社の業績や個人個人の成績によって決定されます。ボーナスは必ず支払わなければならないなど、法律で決まっているものではないため、あるかどうかや基準は会社ごとに異なります。
同一労働同一賃金の導入による変化
政府が進めている働き方改革のひとつに「同一労働同一賃金」の導入があります。正社員と同じ仕事をしていても、派遣社員だからといって処遇が全然違うというのは納得がいかないですよね。同一労働同一賃金は、こうした雇用形態の違いによって起きている待遇の格差をなくすために作られました。
そして2020年4月には、改正派遣法が施行されました。派遣社員に給与を支払うのは人材派遣会社のため、派遣社員の同一労働同一賃金を実現する主体は、人材派遣会社です。人材派遣会社が賃金などの待遇を検討していくことになります。待遇の決め方はふたつあり「派遣先均等・均衡方式」と「労使協定方式」です。
派遣先均等・均衡方式
派遣先均等・均衡方式は、派遣先企業の正社員の待遇に合わせようとする方式です。仕事の内容や責任の重さが派遣先企業と同じ場合は、待遇に差がつかないようにし、給与や手当などの待遇も同じにするというものです。ボーナスについても、派遣先企業に合わせた支給となります。
ただし、正社員がボーナスをもらっていないのであれば、それに合わせることになるので、派遣先均等・均衡方式だからといって、必ずしもボーナスがもらえるというわけではありません。また、給与や手当が違う場合は、違いに応じた待遇が与えられます。その場合は、ボーナスの支給額も正社員とは違ったりもらえなかったりすることもあります。
労使協定方式
派遣社員は、同じ派遣先で働き続けるという働き方ではないため、派遣先均等・均衡方式では派遣される会社が変わるたびに待遇が変わることになってしまいます。そこで、労使協定方式という待遇の決め方があり、大手の派遣会社はこちらの方式のところが多いです。
労使協定方式は、働くエリアや職種ごとの平均賃金の同等以上の待遇にするというものです。派遣先ではなく、登録する派遣会社によって待遇が定められているため、別の会社に派遣されても同じ条件で働けるというよさがあります。労使協定方式の場合、派遣社員のボーナスは時給に含まれるため、別途支払われることはありません。そのため、派遣社員でボーナスをもらっている人はあまりいないということになります。
派遣でもボーナスが見込める働き方
派遣社員であっても、できることなら正社員と同じように月の給与とは別で、ボーナスがほしいと望む方もいるでしょう。そこで、派遣社員になってもボーナスが見込める方法をお伝えします。
常用型派遣
派遣会社の社員として、指定された派遣先で勤務するのが常用型派遣です。派遣と聞いて一般的にイメージがされやすい登録型派遣とは違い、契約期間に定めがなく、長期的に継続して働くことが可能です。月給制を採用しているところが多いです。派遣先での就業期間が終わり、次の派遣先で勤務するまでの間の日数も給与がもらえます。ボーナスに関しても、派遣会社の規定にならって受け取れます。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、最長6か月派遣社員という形で働いたあと、派遣先企業と派遣社員の双方の合意があった場合に正社員や契約社員などの直接雇用に切り替えるというものです。直接雇用になった就業先がボーナスを出すところであれば、もらえるようになります。給与の規定は会社によって異なるので、よく確認してから派遣先を選び、直接雇用にしてもらうかを決めるといいでしょう。
ボーナス制度のある派遣会社で働く
数としてはあまりないですが、ボーナスがある派遣会社を選ぶという手段もあります。ボーナス制度があるかどうかや、もらえる額や条件はどうなっているのかなど、しっかり情報収集をしましょう。
まとめ
派遣社員の多くはボーナスがありませんが、ボーナスの分が基本給に含まれており、その分時給が高く設定されているため、決して損というわけではありません。ボーナスが欲しい方は、紹介予定派遣を探したり、ボーナスの出る派遣会社を考えたりしてみてはいかがでしょうか。